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不動産投資の真髄を極める – 競売と公売、二つの取得ルートを徹底解剖


市場価格を凌駕する高収益物件の発掘こそ、全国の公売物件で実績を積み重ねてきた弊社の得意とするところです。制度の深い理解と独自のノウハウを駆使して、眠れる高収益物件を掘り起こしてきました。

本稿では、競売と公売の核心的な違いを明確にし、改正民法における契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)を踏まえながら、それぞれのメリット・デメリットを詳細に分析します。その上で、全国規模で公売に取り組む弊社の豊富な実績に基づき、高利回り物件を見抜くための戦略的な視点を提供します。

1. 競売と公売 – プロの投資家が注視すべき本質的な差異

競売と公売は、いずれも不動産を市場原理に基づいて売却する手続きですが、その法的根拠、主体、情報開示の質と量、手続きの透明性など、投資判断を左右する重要な差異が存在します。特に、物件に潜在的な瑕疵が発見された場合の責任の所在は、投資戦略を策定する上で不可欠な要素であり、契約不適合責任の考え方を理解することが重要です。

項目競売 (民事執行法)公売 (国税徴収法・地方税法)
主体裁判所国税局、税務署、都道府県・市区町村などの行政機関
目的債務不履行による債権回収。公正な手続きが重視される。税金滞納による滞納金回収。迅速な換価が重視される傾向。
物件情報詳細な「3点セット」(物件明細書、現況調査報告書、評価書)が開示され、物件概要、占有状況、評価額に加え、潜在的なリスクに関する情報も一定程度提供。契約不適合責任は原則として免責情報開示は行政機関により異なり、競売と比較して限定的。詳細な図面や調査報告書は期待できない場合が多い。内覧機会も限られる。契約不適合責任は完全に免責
占有者の対応裁判所が明け渡し命令を発行可能であり、強制執行手続きも比較的円滑に進む。明け渡し命令の制度はなく、買受人が自ら占有者と交渉する必要がある。交渉決裂の場合は、明け渡し訴訟等の法的手続きを自ら行う必要があり、時間と費用、精神的負担が大きい。
手続きの透明性・厳格性法令に厳格に則った透明性の高い手続き。入札期間、開札方法、結果開示などが明確。手続きは競売に比べ簡素化されている。インターネット公売も増加しているが、情報開示の程度や手続きの詳細は機関により差異が見られる。実はこの点がチャンス
保証金売却基準価額の20%が基本見積価格の10%程度
参加者の傾向個人投資家から法人まで、幅広い層が参加。比較的多くの情報に基づいて判断できるため、新規参入も比較的容易。リスクを理解し、高度な情報収集・分析能力、交渉力、法務知識を持つプロの投資家が中心。情報不足から一般投資家は敬遠する傾向。
契約不適合責任原則免責だが、買主が知り得なかった隠れたる重大な瑕疵については、信義則に基づき売主(債務者)に限定的な責任が認められる余地があるとの判例も存在。裁判所の責任を問うことは困難だが、売却許可取消を得たケースあり。完全に免責。落札後のいかなる瑕疵についても、行政機関は一切の責任を負わない。

2. 不動産投資の視点 – 競売と公売、戦略的な選択【契約不適合責任のリスクを考慮】

競売と公売のどちらを選択するかは、投資戦略とリスク許容度によって大きく左右されます。特に、契約不適合責任が原則及ばない競売や公売においては、物件の潜在的なリスクを徹底的に見極める能力が求められます。

2.1. 競売のメリット・デメリット:情報と手続きの透明性がもたらす機会と制約

メリット:

  • 比較的詳細な情報: 「3点セット」により、物件の物理的状況や権利関係を事前に把握しやすく、リスクをある程度可視化できます。
  • 法的なサポート: 裁判所の関与により、占有者の明け渡し手続きが比較的スムーズに進むことが期待できます。
  • 手続きの透明性: 公正な手続きに則っているため、不当な取引に巻き込まれるリスクが低いと言えます。
  • 限定的ながら契約不適合責任の可能性: 公売と比較すれば、落札後に判明した重大な瑕疵について、債務者に対して責任追及の余地が僅かに残されています。

デメリット:

  • 高競争率: 情報公開が進んでいるため、多くの投資家が参入し、価格競争が激化しやすい傾向があります。
  • 高額な保証金: 売却基準価額の20%という高額な保証金が、資金効率を圧迫する可能性があります。

2.2. 公売のメリット・デメリット:リスクとリターンのバランスを見極める

メリット:

  • 低競争率: 情報の少なさから参加者が少なく、割安な価格で優良物件を取得できる可能性を秘めています。特に参加者が少ない狙い目の公売もあります。
  • 掘り出し物の探索: 避けたほうがよい物件も多いですが、一般的な市場に出回らない、潜在的な価値を持つ物件が見つかることがあります。
  • 低い保証金: 見積価格の10%という比較的低い保証金で参加できます。

デメリット:

  • 圧倒的な情報不足: 物件の状態や権利関係に関する詳細な情報が不足しており、徹底的な自主調査が不可欠です。入札前には、直接現地にいって、現地調査や役所調査など行うべきです。もっとも弊社は札幌の区分マンションを公売広報の情報のみで入札し落札したこともあります。価格比較がしやすい区分マンションならではの入札手法です。
  • 占有者との直接交渉: 明け渡し交渉が難航する可能性があり、時間的・精神的な負担、法的手続き費用が発生するリスクがあります。ただ、実際に手がけてみると、気が抜けるほどあっさりクリアできることも多く、前述の札幌のマンションは、旧持ち主より部屋の鍵はもちろんのこと、滞納管理費や室内残置物の処分費用まで支払っていただけました。
  • 契約不適合責任の完全免責: 落札後のいかなる瑕疵も自己責任となり、修繕費用や損害賠償リスクを考慮する必要があります。資材価格が高騰しており、修繕費用のリスクの見極めがどんどん困難になってきつつあります。

3. 全国公売入札のプロが語る – 契約不適合責任を前提とした高利回り物件の見極め方

全国の公売物件に入札し、実績を上げている弊社のようなプロフェッショナルは、契約不適合責任が一切ないという公売の特性を深く理解した上で、以下のような独自の視点と戦略で高利回り物件を見極めています。

  • リスクの徹底的な定量化と価格への織り込み: 情報不足を補うための詳細な現地調査、専門家による綿密な建物診断、複雑な権利関係の徹底的な解析を行い、潜在的なリスクを可能な限り洗い出し、入札価格に反映させます。
  • 高度なバリューアップ戦略と実現可能性の精査: 単なるリフォームだけでなく、用途変更、再開発など、契約不適合責任がない前提で、より大胆かつ実現可能性の高いバリューアップ戦略を立案し、収益性を最大化します。修繕費用や法規制なども詳細に検討します。
  • 全国規模の情報ネットワークと迅速な行動力: 全国各地の公売情報を網羅的に収集する独自のネットワークを構築し、有望な物件をいち早く発見し、迅速な意思決定と行動に移します。
  • 卓越した交渉力と法務対応能力: 占有者との粘り強い交渉に加え、予期せぬ法的トラブルに対応できる高度な交渉力と法務知識、専門家との強固な連携体制を構築します。

実際に弊社では、これまで公売で取得した自社物件を賃貸に出しており、取得費用やリフォーム費用などを加味した上で、いわゆる実質利回りを計算したところ、最も低いアパートで12%、最も高い区分所有物件では40%ほどの高利回りを実現しています。 この実績こそが、公売市場における適切なリスク管理と物件選定の重要性を示唆していると言えるでしょう。

公売市場においては、自己責任原則の下で、物件の本質的な価値を見抜き、リスクを管理することができれば高収益を実現することも夢ではありません。

4. まとめ – 競売と公売の特性を熟知して戦略的投資を

競売と公売は、一般的な売買物件と大きく違うことはもちろん、それぞれ異なる特性を持つ不動産取得の手段です。競売は、比較的詳細な情報と法的なサポートがあるものの競争が激化しやすく、公売は情報が少ない分リスクは高いものの、競争の少ない環境で高利回りを追求できる可能性があります。

全国の公売物件で実績を積み重ねてきた弊社のようなプロフェッショナルにとって、競売と公売の特性、そして契約不適合責任が適用されない競売や公売のメリット・デメリットを深く理解した上で、自身の強みを最大限に活かせる市場を選択し、より緻密で戦略的な入札を行うことが、更なる投資成果に繋がることは間違いありません。

今後も、競売と公売の市場動向を注視し、高収益物件取得の機会を積極的に追求していきましょう。